こんなに変わる!タイルの目地と貼り方
2023.07.08
こんにちは。インテリアコーディネーターの太田です。
先日のブログでは、マイホームをお考えの方に向けて「タイルの選び方」についてお話しました。
キッチンやリビング、洗面など使用する場所に合わせて、その特性を生かしたタイルを選ぶ、機能面からの選び方です。
本日は機能面ではなく、見た目の観点からタイルの選び方をお話ししようと思います。
この方法を生かせば、自分のイメージに合ったワンランクアップの空間を演出することができますよ。
見た目の観点からタイルを選ぶポイントは大きく分けて2つあります。
それは「目地」と「貼り方」です。
目地とはタイルとタイルとの間のつなぎ目のことを指します。
この写真でいうと、ベージュの部分です。
同じタイルであっても、この目地の色と幅で見た目の印象が大きく変わるので、タイルと同じくらい目地選びは重要なんですよ。
そもそも目地とはどのような役割があるのでしょうか?
すっきりした見た目がお好みの方は、いっそ目地がない方がいいのに、と思っている方もいっらっしゃるかもしれませんね。
目地には大きく分けて2つの役割があります。
①仕上がりの微調整をする
②下地の動きからタイルを守る
まず①の「仕上がりの微調整をする」ですが、タイルは焼き物ですから、タイル1枚1枚に寸法誤差があります。また、職人が手作業で貼るものなので、施工の誤差もあります。その小さな誤差を目地で少しずつ調整し、最後に整った印象にしてくれるのが目地です。タイル自体の寸法誤差が小さいものだったら、細い目地で施工できますが、クラフトタイルのような誤差が大きいタイルだと、メーカーの推奨目地が大きく指定されていることがあります。
そして②の「下地の動きからタイルを守る」とは、家自体の日々の揺れや地震などで家が動いたときに、目地が緩衝材となってタイルが割れるのを防いでくれます。目地をほとんどないように見せる「突きつけ目地」や「眠り目地」などの施工方法もありますが、寸法誤差が大きいタイルは施工ができなかったり、最悪の場合、緩衝材となる目地がないためタイル自体が割れてしまったりするかもしれません。
そのため、アフターメンテナンスの面では目地があった方がよく、リキューでは基本的に目地ありの施工を行っています。
では、実際に目地によって見た目の印象がどれほど変わるのか見てみましょう。
こちらの2枚の写真は同じタイルを使っていますが、目地の色を変えています。目地の色が違うだけでだいぶ印象が変わると思いませんか?
上の写真はダークグレー、下の写真はホワイトの目地を使用しています。目地幅は約3mmです。
また、目地の幅でも印象が大きく変わります。
上の写真は目地幅約2、3mmですが、下の写真は目地幅を6mmくらいにしています。同じ濃い色の目地でも幅が違うだけで、雰囲気が大きく変わりますね。
細い目地にすれば、すっきりとモダンなイメージになりますし、太い目地にすれば、くっきりとしたアクセントになりカジュアルな雰囲気が増します。
次にタイルの貼り方についてみていきましょう。
タイルの貼り方にも様々な種類があり、貼り方を変えるだけで同じタイルでも違った雰囲気を作ることができます。
メジャーなタイルの貼り方は以下の4つです。
①馬踏み目地(破れ目地)
②通し目地(芋目地)
③四半目地
④やはず張り
①の馬踏み目地は、先ほどのご紹介した施工事例の貼り方です。
タイルを半分ずつずらして貼ります。馬が踏んだ足跡のように見えるので、この名前で呼ばれています。リキューではこの貼り方を採用される方が多く、人気の貼り方です。
②の通し目地は、タイルをまっすぐに並べた貼り方です。とてもシンプルな貼り方で、洗練された印象になります。材料としても無駄が少なくて済みます。小さいサイズだけでなく、大判のタイルとの相性も良いです。
③の四半目地は斜め45度に傾ける貼り方です。ちょっと人と違う雰囲気にしたいな、という方には個性があっておすすめです。ただ壁につきあたる箇所にはカットが必要で、納まりが難しい場合があります。この貼り方をご検討の方は、担当のインテリアコーディネーターに相談してみてくださいね。
④のやはずとは、矢の末端の弓の弦を受ける部分のことです。ヘリンボーンと呼ばれることもあります。この貼り方も個性のある貼り方ですよね。四半目地と同じく、施工の手間がかかるので、同じタイルでも馬踏み目地や通し目地と比べて、施工費が高くなる可能性があります。ここぞというアクセントタイルに使えば、こだわりの空間にできますよ。
本日は目地や貼り方で、仕上がりの印象が大きく変わることをご説明しました。お家づくりをお考えの方で、やりたいタイルのイメージ写真がある方は、その目地がどんな色でそれくらいの幅なのか確認してくださいね。
カフェ風だったり、インダストリアル風だったり…お好みのイメージで変わってくると思います。
完成見学会でお越しの方は、ぜひ目地にも注目してみてください。→こちら←
私たちインテリアコーディネーターもお客様のとのヒアリングでイメージ写真を拝見させていただいた後は、目地も合わせてプランニングしていますので、ぜひご相談ください。