高気密・高断熱住宅
2022.11.17
こんにちは。住宅アドバイザーの原田です。
ようやく朝晩が少し肌寒いという季節になってきたかなというこの頃ですが、今日は高気密高断熱住宅の一般的な定義について見ていけたらと思います。
まず、「高気密」とは、外部と家のすき間が少なく、気密性が高いことを指します。
「高断熱」とは、家の壁に外気からの影響を受けにくい建材などを入れて、家の中の温度が外気に左右されないようにすることで熱が逃げるのを遅くします。
高気密でない家とは、例えるとセーターのようなものです。
セーターは着ると暖かいですが、風が吹けばとても寒く感じます。これは、セーターはすき間が多いからです。ウインドブレーカーやダウンジャケットなどの、風を通しにくい素材の洋服を合わせるのが高気密の状態です。
体から熱が奪われることなく、暖かい状態をキープすることが可能です。家の中と外の空気の出入りが少ないほど室温が保たれやすく、外気の影響を受けにくくなります。暖かい空気と冷たい空気は対流する性質があるため、すき間があると空気がどんどん入れ替わってしまい、どんなに暖房などで暖かくしても冷えてしまいます。
高断熱であるためには、高気密であることが大切な条件となるという事です。
高気密高断熱の住宅は「冬でも暖かい家」「一年中過ごしやすい家」「省エネ住宅」などとも呼ばれることがあります。しかし実は、日本には「この数値であれば高気密高断熱の住宅と言える」という明確な基準がありません。
住宅メーカーなどが示している基準は、あくまでもその会社が独自に定めたものなので、数字を見るときには注意が必要です。
気密性を表す言葉、それが「C値」です。C値とは「相当隙間面積」というもので、延べ床面積1㎡あたりに、すき間が何㎠あるかを表したものです。
「数値が小さければ小さいほど、すき間が小さい」ということになり、気密性が高いと言えます。
リキューが考える「高気密住宅」の推奨するC値は以下の通りです(100㎡=約30坪の住宅の場合)。
• リキューが目指す基準:0.4以下(目安面積:40㎠)
• 目指してほしい基準:0.5以下(目安面積:50㎠)
• 高気密をうたう最低基準:1.0以下(目安面積:100㎠)
C値の数値自体は0.1、0.2の違いなのですが、30坪の家全体で比べるとすごく大きな違いになります。
まずは、気密測定を必ず行う事、そしてC値の比較が重要なポイントになってきます。本当の高断熱な住宅は高気密があってこそ実現できるという事をしっかり考えていただいて、住宅検討をしてみてください。
*気密(C値)測定の様子(内装仕上げ前に行っています。)