暮らしの灯り～間接照明～
2023.03.14
こんにちは。インテリアコーディネーターの太田です。
今日は暮らしのアイディアとして「暮らしの灯り」についてお話したいと思います。
みなさん、灯りについてどのくらい意識されていますか？
日々の暮らしの中で灯り少しでも意識を向けると、心地の良い空間づくりに繋がります。
ですが、照明器具にはいろいろな形、色、明るさなど様々な種類があり、
専門知識がない場合、どれを選んだらよいかわからない方が多いのではないでしょうか。
リキューではインテリアコーディネーターが、
間取りに合わせて照明のプランニングを行います。
照明器具には、主に「直接照明」と「間接照明」がありますが、
本日は「間接照明」について実際の事例を見ながらご紹介していきます。
まず「間接照明」の定義とは何でしょうか？
「間接照明」とは、天井や壁に光を反射させる照明のことを指します。
天井や壁に反射させて美しい光のグラデーションを作り、優しく光が広がります。
その反対語として、「直接照明」があり、主にダウンライトやスポットライトを指します。
下の写真は、上下配光のブラケットライトを用いて、壁に反射させている事例です。
※ダウンライトやスポットライトでも、
壁や天井に反射させて間接照明として使う手法もあります。
間接照明と同じようによく使われる言葉で、「建築化照明」というものがあります。
これは建築と一体となった照明のことを指し、間接照明のうちの一つです。
下の写真は、天井を掘りこんで壁に反射させています。
建築化照明は間接照明として使われることが多いので、
「間接照明」≒「建築化照明」という意味で使われる場面が多いです。
ですが、間接照明には建築化照明だけでなく、
先ほどの写真でお見せしたブラケットライトや、
スタンドライトなどでも表現することができます。
スタンドライトやフロアライトなどは、コンセントさえあれば使えるものが多いので、
住み始めてから、自分の心地良い空間に仕立てることができますよ。
建築と一体となった「建築化照明」は、主に3つの手法があります。
①天井を照らす
②壁を照らす
③床を照らす
では、実際に施工事例を見ていきましょう。
①天井を照らす
こちらの施工事例は、キッチン上に下がり天井を設け、そこに間接照明を収めました。
光のグラデーションと下がり天井の木目が合わさって、
特別なキッチンスペースになっています。
つぎの施工事例は、リビングに折り上げ天井を設け、そこに間接照明を収めました。
光が反射する面に、質感のあるクロスを採用することで、
より印象的な雰囲気に仕上がります。
②壁を照らす
こちらの施工事例は、玄関入って正面の壁にペイントを施しました。
その天井を掘りこんで間接照明を設けています。
ペイントはクロスでは表現できない質感やムラ感を表現することができます。
そこに光が反射することで、さらに陰影を引き立ててくれます。
こちらの施工事例は、最初に上げた事例です。
テレビ背面の壁に光を反射させています。
テレビの画面とテレビ背面の明るさを近づけることで、目の疲れを軽減できます。
テレビ回りにエアコンなどの計画がなく、きれいな壁の場合はおすすめの手法です。
③床を照らす
最後の施工事例は、トイレの収納棚下に間接照明を収めました。
上部にも光源が見えないタイプのペンダントライトを設け、光を反射させています。
建築化照明で使われる器具は一般的なダウンライトと比較すると高価なものが多いです。
トイレであればスペースが小さいので、比較的チャレンジしやすくなります。
いろいろな間接照明の事例をご紹介しましたが、照明に正解はありません。
間取りはもちろん、建築化照明を収める「開口」や器具を隠す「幕板」でも
印象は大きく変わります。
同じ器具を使っても「開口」と「幕板」次第では、
十分な明るさがとれることもあれば、光が広がらず暗い印象になることもあります。
また、建築化照明は一般的に器具が目線に入らないように計画します。
器具を収める空間や動線によっても変わってきますね。
そして、反射させる壁や天井、床には、
照らしたくないエアコンや、窓、建具、その他機械類を避けます。
せっかく美しい光のグラデーションを作っても、
余分なものを照らしてしまっては残念です。
上記のように間接照明を計画するには、総合的で念入りな計画が必要です。
積極的に採用したい方は、間取りの打合せから希望を伝えておくことをおすすめします。
自分に合った灯りを見つけるには、実際の灯りを見ていただくのが一番です。
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