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自然素材の家 メリットとデメリット ー壁ー

2022.12.08

こんにちは。インテリアコーディネーターの太田です。

最近家づくりをお考えの方で、自然素材を取り入れたいというお声が増えてきました。
SDGsやサスティナブルなどの環境面の配慮や、
コロナにより家にいる時間が増え、より快適な環境にしたいというお気持ちが高まっているのかな、と思います。

 

自然素材の定義とは何でしょうか?

自然素材は天然素材とも呼ばれ、「人工的な化学物質を使わない素材」のこと指します。
化学物質が含まれていない素材を使うことで、
有害物質による、シックハウス症候群などの健康被害への軽減に繋がります。

その自然素材の中には、無垢の床や漆喰、珪藻土などの塗り壁や、和紙や紙素材の壁紙、畳など多くの素材があります。
とりわけ人気があるのは、無垢床や漆喰、珪藻土などの塗り壁ですね。
床や壁は特に面積が大きいので、自然素材の効果を発揮しやすいです。
前回は床に使われる自然素材のメリット・デメリットについてお話ししましたので、
今回は壁材についてお話したいと思います。

壁に使われる自然素材といえば、「漆喰」「珪藻土」が有名ですよね。
名前を聞いたことはあっても、その原料や違いはご存知ない方も多いのではないでしょうか。
意外と知られていない「漆喰」「珪藻土」の違いについて掘り下げていきたいと思います。

「漆喰」

漆喰は水酸化カルシウムを主な原料とした塗り壁材です。

水酸化カルシウムとは別名 消石灰とも呼ばれる白い粉のことを指します。
伝統的な漆喰は、海藻を炊いた糊に麻スサを混ぜ、消石灰を加えて作ります。
この主原料である消石灰の性質から、堅牢さ、防火性、調湿作用を持ち、
日本では昔から白や土蔵の外壁などに使われてきました。

日本でも自給できる素材であり、抗菌作用があることからも近年注目が高まっています。
仕上げの方法にも様々な種類があり、押さえものや撫でもの、磨きなどがあり、
それぞれの仕上げ方で雰囲気が変わります。

 

「珪藻土」

珪藻土は二酸化ケイ素を主な原料とした塗り壁材です。
二酸化ケイ素は珪藻の殻でできています。

藻類の一種で、植物性プランクトンの珪藻が、海や湖沼に堆積したものを指します。
水中のシリカを蓄える珪藻は、多孔質(無数の穴が空いています)の細胞壁を持つため、
吸放湿性が高く、優れた調湿作用を持っています。

近年では、この性質を生かした珪藻土のバスマットやコースターが人気ですよね。
また、この性質は断熱性能や耐火性にも役立っています。
その他にも脱臭性能も期待できます。

上記から漆喰と珪藻土の原料は大きく違うことがわかります。
そのため似た印象を受ける両者は、その特性も違う点があります。

まず、漆喰は、基本的に何も混ぜずに壁に付きます。
空気中の二酸化炭素に反応して自ら長い年月をかけて徐々に固まります。

一方珪藻土にそのような特性はなく、乾燥してもボロボロと崩れてしまいます。
一般的に建材として流通している珪藻土は、石灰やセメント、粘土などの自然由来のものや、合成樹脂をつなぎとして使っているのです。

合成樹脂を使うと施工性はよくなります。

ですが、自然素材のこだわられる方は嫌がられる方もいらっしゃいます。
珪藻土を採用するときは、その原料にも意識したほうがいいかもしれません。

また、漆喰と珪藻土にはどちらにも調湿作用があります。
調湿作用は漆喰よりも珪藻土を選んだ方が高い効果が得られます。

調湿効果を求めて自然素材の塗り壁を採用したい場合は、珪藻土の方がおすすめです。
珪藻土の方が漆喰よりも安く傾向にあります。

それは施工がしやすく、原料自体も安いためです。

長い耐久性、堅牢さを求め、自然素材にこだわりたい方には漆喰がおすすめですが、
手軽に塗り壁に挑戦してみたい方は珪藻土もおすすめですよ。
ただどちらもビニールクロスよりはコストが上がるので、
検討していらっしゃる方は事前にご相談いただけるといいです。

漆喰や珪藻土などの塗り壁は、前回お話しした無垢の床と同じでデメリットもあります。

ビニールクロスと同じようなお手入れはできないですし、割れが起こることもあります。
ですが同じものが一つとしてない仕上げや、触り心地、
優しい風合いは多くの人が気持ちいいと感じるはずです。
木も塗り壁も自然素材の性質を理解して、上手に付き合っていきたいですね。

実際に塗り壁を採用された物件は少ないですが、
完成見学会では、実際に無垢の床をご体感頂けます。
写真では味わえない、無垢の床の良さを是非ご覧いただきたいです。

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