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気密測定って、工事中や完成したときにやるんですよね? たとえば住んでから10年後もその気密性が確保されてることを確認することってできるんですか??

2020.07.16

最近は、住宅の高い気密性能を必須条件とするお客様が増えてきました。

そもそも気密性能(C値)は最低でも1.0以下でないと、本来の住宅の性能は発揮できません。※C値が大きい家はスキマが大きすぎるので、壁(体)内結露や換気不良のリスクを高めます。

消費者の求める性能に応じて、本来の気密性能すなわち建物の気密性を実測して、その値であるC値をお客様に伝えている住宅会社もようやく多くなってきたような気がします。(ようやく、です)

先日あるお客様にこう聞かれました。 「気密測定って、工事中や完成したときにやるんですよね? たとえば住んでから10年後もその気密性が確保されてることを確認することってできるんですか??」

いい質問です。

建物の気密性とは、かんたんにいえば部材と部材のスキマをふさぐこと。窓サッシまわりや、柱と断熱材の間、エアコンや換気扇のダクト管まわりなどのスキマをていねいにふさいでいくことで、気密性を確保します。 

しかし、建物は建ってから、台風や地震にもさらされます。そうすると建物は動きます。(正確に言うと「動こうと」します)。建物が動かされると、(部材が動くので)気密性がゆるくなる可能性があります。なので長年にわたって気密性を確保できるようにしておくことが大切です。

住宅会社に気密性を確認したら、その気密性がどれくらい維持できるのか(または維持できるようにしているのか)も確認するといいかと思います。

例えばですが、建物の場合、「構造計算」を行う住宅会社もあると思います。もしやっていたら、構造計算書に示される「層間変形角」(そうかんへんけいかく)の値が、気密性が長期にわたって維持できそうかどうかのひとつの目安になります。層間変形角とは、層間(≒部屋などの空間)が大きな地震の時にどれくらい変形するか(変形しようとする力ににどこまで耐えられるか)を示した値です。分数で表されます。

その値が、120分の1なのか 150分の1なのか 200分の1なのかを確認します。分母が大きければ大きいほうが、建物が変形しにくい(変形しようとする力に耐えられる)ことになります。

構造計算とは本来、建物の耐震性を確保するために行う設計作業ですが、建物の気密性を長年にわたり維持させるためにも役立ちます。

さきほどのお客様の質問にはこのようにお答えしました。

住んでから10年後に気密測定をすることは可能です。でも、測定をした結果 気密性が悪くなっていても、残念ながら直すことはできないんです。(気密性はほぼ壁の中の問題なので)  せっかく高い気密性で作った建物ならば、長年にわたりその性能を維持できる家がいいと思いますよ。

 

 

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