窓を開けると、道路の排ガスや近隣からのニオイが入ってくる。そんなときに確認したいのが、お住まいの24時間換気設備です。適切に設計・運転・維持管理された機械換気は、窓を閉めた状態でも室内の空気を入れ替えるための設備ですが、「設備が付いている」「第1種だから」という理由だけで換気が十分だと判断することはできません。
※2020年4月にいただいた相談事例をもとに、換気方式と日常の確認ポイントに関する説明を2026年10月19日に見直しました。
国道沿いのお客様からいただいた相談
窓をあけたくてもあけられない方は、世の中にたくさんいます。交通量の多い道路があったり、電車が走っていたり、ニオイが気になる川があったり、お隣さんの視線が気になったり。
先日、私のラインに、お引渡し後のお客様Tさんから連絡が届きました。
「テレビで『換気しましょう、換気しましょう』って言ってるんだけど、うち、道路沿いだもんで窓あけると排ガスが入ってきて逆に体わるくなりそうじゃんねー。どうしたらいい??」
Tさんのお宅は、トラックがたくさん行き来する国道沿い。しかも信号近くなので、トラックが停止すると、風向きによってはニオイがTさん宅方向に流れることもありました。
当時のご相談では、第1種の24時間換気設備が設置されていることを確認しました。窓開けだけを考えるのではなく、まずお住まいの設備と使い方を確かめることが大切です。
第1種・第3種より先に、換気の状態を確認する
第1種換気は給気と排気の両方に機械を使い、第3種換気は機械で排気し、給気口などから外気を取り入れる方式です。
どちらの方式でも、必要な換気量と空気の通り道を確保する設計、適切な運転、フィルターなどの手入れが重要です。第3種だから換気できない、第1種なら部屋の隅まで必ず換気できる、という意味ではありません。
国土交通省は、住宅のシックハウス対策として、原則として換気回数0.5回/h以上の機械換気設備の設置が必要と説明しています。これは計画上の換気量の考え方であり、室内のあらゆる汚れを一定時間で取り除けるという保証ではありません。
参考:国土交通省「住宅等における換気等に関する情報提供について」
窓を閉めているときに確認したいこと
- 24時間換気の電源・運転設定が、取扱説明書どおりになっているか。
- 給気口・排気口が、家具や荷物などでふさがれていないか。
- フィルターの清掃・交換が必要な状態になっていないか。清掃方法は機種ごとの説明書で確認する。
- 室内の空気の通り道を妨げていないか。設備の方式や間取りに応じて施工会社に確認する。
設備が正常に働いているか分からない、運転していても空気がこもると感じる場合は、施工会社や設備のメーカーへ点検をご相談ください。調理などで汚れが多く発生するときは、レンジフードなど用途に合った換気も必要です。
外のニオイは、換気設備やフィルターだけで必ず防げる?
機械換気も外気を取り入れるため、窓を閉めれば外のニオイが完全に入らなくなるとは限りません。花粉や粉じんへの対応と、ニオイ・ガス成分への対応は分けて考え、搭載フィルターや機器の仕様を確認する必要があります。
屋外のニオイが気になる場合は、発生源や時間帯、給気口の位置、設備の仕様を整理して施工会社へご相談ください。自己判断で給気口をふさいだり、常時換気を止めたりする対策は避け、必要な換気量を保つ方法を検討しましょう。
参考:ダイキン工業「リモコン・フィルター」(フィルターの性能や対象物質は製品ごとに異なります。この製品をTさん宅で採用したという意味ではありません。)
リキューの家づくりにおける気密性能の考え方は、気密性能についてで紹介しています。換気は気密性だけで決まるものではなく、換気設計・設備・暮らし方をあわせて確認することが大切です。