光熱費が高騰している今、人工的なエネルギーに頼りすぎない点からも、パッシブデザインが注目されています。注文住宅にパッシブデザインを取り入れることで、自然のエネルギーを活用した心地良い暮らしが叶います。そこで今回は、パッシブデザインや実現するための要素について知識を蓄えていきましょう。愛知県西尾市や蒲郡市で、身体にも地球にも優しい注文住宅を建てたい方は、是非参考にしてください。
パッシブデザインを取り入れた住宅とは？
パッシブデザインとは、人工的なエネルギーをメインに据えるのではなく、自然のエネルギーを活用する建築手法のことです。「太陽光をうまく取り込んで部屋を明るくする」「自然風を利用して室内にこもった熱を外に逃がす」といった環境になるよう設計し、人工的なエネルギーに頼らなくても快適な住宅を目指します。自然エネルギーを活用するので、省エネで環境に優しい住まいが実現します。
なお、注文住宅をパッシブデザインにするには、その土地の風土や特徴を生かすことが欠かせません。エリアの特性を読み解ける建築家に依頼することで、見た目のおしゃれさはもちろん、パッシブデザインを取り入れたマイホームが叶うでしょう。
また、パッシブデザインと同じく、省エネに着目した家づくりの手法であるのが「アクティブデザイン」です。パッシブデザインが自然のエネルギーの受動的な活用がメインであることに対し、アクティブデザインは全館空調や太陽光発電システムなどの設備を活用して省エネを目指します。
パッシブデザインにおける重要な5要素
パッシブデザインを取り入れるには、次の5つの要素が重要です。
・断熱気密
・日射遮蔽と日射取得
・自然風利用
・昼光利用
・日射熱利用暖房
それぞれ詳しく解説します。
断熱気密
パッシブデザインの要は、断熱性と気密性です。熱の出入りを抑制する断熱性と、家の隙間を極力小さくして空気の移動を防ぐ気密性が確保されると、室温が外気温に左右されにくくなります。つまり、高断熱高気密の家は室温を一定に保ちやすいため、夏は涼しく冬は暖かい快適な暮らしをサポート。さらに、冷暖房効率もアップし、省エネにつながります。
＞＞参考コラム：注文住宅で重視すべき断熱性能とは？西尾市・蒲郡市で快適な暮らしを実現しよう
＞＞参考コラム：注文住宅の気密性を高めるとどうなる？西尾市・蒲郡市に適した家づくりのポイントも解説
日射遮蔽と日射取得
夏の暑い日差しを遮る「日射遮蔽」の設計をすることで、室内の温度上昇を抑えられます。しかし、冬場の日差しまで遮ってしまうと部屋が暖かくなりにくく、寒いままになってしまいます。そこで、冬場の太陽光が差し込む角度を考慮した位置に窓を設置し、できるだけ多くの日差しを取り入れる「日射取得」の設計も欠かせません。
このように、日射角度は季節によって異なるため、窓の位置・サイズや軒の長さ・角度を工夫することで、暮らしやすい家づくりが可能です。また、建物だけでなく、外構や植木を利用して日射を遮る方法もあります。
自然風利用
自然風利用とは、風の動きや通り道を計算する設計です。例えば、天井付近に留まりやすい熱を排出できるよう高窓を設けたり、風を積極的に取り入れるためにウインドウキャッチをつくったりといった方法があります。このように自然風をうまく活用すると快適な室温をキープしやすくなり、暑さ・寒さが厳しくない時期はエアコンに頼りすぎない生活が送れるでしょう。
昼光利用
太陽光を利用して部屋の明るさを確保する昼光利用。日中長く過ごす部屋の窓を大きくする、吹き抜けや天窓を採用するといった方法で採光力を高めます。室内に差し込む光が十分にあると、日中に照明をつけずに生活できるようになり、電気代の節約が見込めるでしょう。
周辺環境によっては住宅の影ができ、自然光の差し込み方が異なるため、家の形状や窓の位置などを慎重に決めなければなりません。その家にぴったりな窓を配置することで、自然光に包まれる心地いい空間がつくれます。
日射熱利用暖房
その名の通り、日射熱利用暖房とは寒い時期に窓から日差しを取り込むことで室温を上昇させる方法です。冷え切った状態から暖房をつけずに済むので、電気代が抑えられるでしょう。
ただし、室温を暖かい状態に保つには、日射を取り入れて温かさを逃がさない集熱・断熱・蓄熱できる環境を整える必要があります。そして、場所ごとに日射量が異なるため、日照シミュレーションも欠かせません。
パッシブデザインのメリット
ここからは、パッシブデザインのメリットを3点紹介します。
電気代の削減ができる
部屋に入る日射量や風を調整し、快適な室温が保てると、冷暖房を使用する回数・時間が減少。加えて、自然光を取り入れられれば、照明にかかる電気代の削減が目指せます。自然エネルギーの力によって生活を快適にできる点は、パッシブデザインの大きな魅力です。
身体への負担を減らせる
パッシブデザインの住宅では、冷暖房の運転時間が短くなるので、冷暖房の風による身体への負担を減らせるでしょう。また、室温を一定に保ちやすいため、季節の変わり目の温度変化による体調不良や、ヒートショックの予防も叶います。
SDGsへの貢献につながる
自然エネルギーを活用する、パッシブデザイン。人工的なエネルギーに頼りすぎないことで地球温暖化の要因であるCO2排出量の抑制になり、SDGsの貢献につながるでしょう。身体はもちろん環境にも優しい住宅を建てたいと考えている方には、パッシブデザインがぴったりです。
パッシブデザインの施工事例を紹介
ここからは、パッシブデザインを取り入れた注文住宅の事例を見ていきましょう。それぞれのこだわりポイントや間取りを参考にしてみましょう。
南向きの大きな窓から光が差し込むデザイン
部屋の中に自然光を取り入れるため、家の南側にリビングを設計し、そこに大きな窓を設置しました。夏の厳しい日差しは軒で遮られるようになっています。さらに、勾配天井と大きな窓でリビングに開放感をプラス。部屋のアクセントになるよう、あえて梁を見せるデザインにしています。
窓の高さを調節して夏の日差しを遮蔽
リビングダイニングに温かな日差しが入るよう、南側に大きな窓を計画しました。照明をつけずとも明るい空間がキープできます。夏の日射量は窓の高さで調整しているため、軒のないシンプルかつスマートな外観に仕上がりました。自然光と木の温かみに包まれる住宅です。
西尾市・蒲郡市でパッシブデザインの注文住宅を建てるならリキューへ
自然のエネルギーを活用して快適な暮らしを叶えるパッシブデザイン。人工的なエネルギーに頼りすぎないため、エアコンの風が苦手な方や環境に優しい暮らしを求めている方にもおすすめです。しかし、パッシブデザインの5つの要素を叶えるには、高度な技術と経験が必要になります。
建築家との家づくりを行うリキューでは、パッシブデザインの注文住宅が実現可能です。また、長期優良住宅の基準を上回る、高断熱高気密・耐震性を兼ね備えた家づくりに力を入れており、長く快適な家を提案いたします。西尾市や蒲郡市でパッシブデザインを取り入れた注文住宅を建てたい方は、リキューまでお気軽にご相談ください。
＞＞西尾市・蒲郡市で快適な暮らしが叶う、リキューの家づくりについてはこちら
著者：株式会社リキュー代表取締役 稲吉 伸英
保有資格：二級建築士 二級施工管理士 増改築相談員 耐震診断員 愛犬家住宅アドバイザー
これまでに培ってきた工務店の強みを活かし、地域に根ざした会社として、お客様に寄り添ったサービスを提供していきたいと考えております。
記事監修者：一級建築士 高地 可奈子
工学部建築学科卒業・大学院修了後、建築設計事務所勤務。建築設計事務所では、建築意匠設計、木造構造設計に携わる。その後大手経営コンサルティング会社を経て、現在は設計経験を活かしつつ、商品磨き、新メニューやツールの開発、研修などを通して工務店支援を行っています。
