
西尾市で土地を探すときは、価格や利便性だけでなく、津波・洪水・内水・液状化・土砂災害を地点ごとに確認することが大切です。西尾市は三河湾に面し、矢作川をはじめ複数の河川が流れる一方、台地や山地もあります。同じ町内でも標高や河川からの距離、造成状況によってリスクは異なるため、「この地域なら安全」と町名だけで判断することはできません。
この記事では、2026年に愛知県が公表した南海トラフ地震被害予測と、西尾市の各種ハザードマップをもとに、土地選びで確認したいポイントを整理します。
西尾市の災害リスクは一つの地図だけでは判断できない

土地の災害リスクを確認する際は、少なくとも次の地図を重ねて見る必要があります。
- 津波ハザードマップ・標高マップ
- 洪水ハザードマップ
- 内水ハザードマップ
- 高潮ハザードマップ
- 土砂災害ハザードマップ
- 愛知県の震度分布・液状化危険度分布
洪水は河川から水があふれる外水氾濫、内水は排水能力を超えた雨などによる浸水です。原因が異なるため、洪水マップで色が付いていなくても内水リスクがないとは限りません。西尾市は想定最大規模降雨を前提とした内水ハザードマップも公開しています。
2026年版で確認したい南海トラフ地震の想定

愛知県は2026年6月、最新データを反映した南海トラフ地震被害予測を公表しました。西尾市の解説では、県内で地震の揺れにより全壊すると予測された建物約5万棟のうち、約15%が西尾市内の建物とされています。また、西尾市の平野部では想定最大震度6強以上の地域が広く、液状化危険度が極めて高い地域も広く分布すると説明されています。
これは市内全域が同じ危険度という意味ではありません。候補地の位置を県の防災マップで確認し、地盤調査の結果と合わせて判断することが重要です。
西尾市の津波リスクを確認する方法

西尾市の津波ハザードマップは、市内を7地区に分けて浸水区域、避難場所などを示しています。海沿いだけでなく、河川を遡上する津波や避難経路も考える必要があります。土地の標高だけで判断せず、浸水深、津波到達時間、避難先までの経路を確認してください。
愛知県は2026年の被害予測をもとに津波浸水想定も更新しています。市の配布マップと県の最新想定を併せて確認し、今後市の地図が更新された場合は新しい版を優先しましょう。
洪水・内水・高潮は分けて確認する

洪水
西尾市の洪水ハザードマップは、矢作川、矢作古川、広田川などの氾濫を想定し、浸水範囲と浸水深を示しています。ただし、市は色が付いていない地区でも、想定を超える雨や排水不良によって浸水する可能性があると注意を促しています。
内水
短時間の強い雨では、河川氾濫がなくても側溝や下水道で排水しきれず浸水することがあります。西尾市の内水ハザードマップは、想定最大規模降雨として1時間147mmを前提に、浸水範囲や深さを示しています。候補地の周辺道路や過去の浸水実績も確認しましょう。
高潮
沿岸部では、台風などによる高潮も別に確認します。津波と高潮は発生原因が異なり、想定区域も一致するとは限りません。
液状化・土砂災害を確認する

液状化
液状化は、地下水位が高い砂質地盤などで地震時に発生しやすく、建物の沈下や傾斜、ライフライン被害につながります。ハザードマップは広域的な目安であり、隣接地でも造成履歴や地盤が異なる場合があります。土地購入前に過去の地形や造成履歴を調べ、建築前には敷地ごとの地盤調査を行います。
土砂災害
山地や斜面の周辺では、土砂災害警戒区域・特別警戒区域への該当を確認します。区域外でも崖や擁壁が近い場合は、現地の高低差、排水、擁壁の状態を専門家に確認してください。
土地選びで確認する7項目
- 候補地の住所を各ハザードマップで検索する
- 想定浸水深と浸水継続時間を確認する
- 津波到達時間と避難場所までの経路を確認する
- 前面道路や周囲の土地との高低差を見る
- 古い地形図や航空写真で過去の地形・造成履歴を調べる
- 市役所や近隣で過去の浸水実績を確認する
- 建築前に地盤調査を行い、基礎・地盤改良を検討する
ハザードマップは土地を避けるためだけの資料ではありません。想定されるリスクを把握し、建物配置、基礎高さ、電気設備の位置、避難計画、保険などの対策を具体化するために使います。
災害リスクを踏まえた家づくり

建物の耐震性だけを高めても、土地の浸水や液状化リスクまでなくなるわけではありません。土地と建物を一体で検討し、構造計算、地盤・基礎、浸水対策、停電時の備えまで計画することが重要です。
リキューの住宅性能については住宅性能のページをご覧ください。候補地の災害リスクを踏まえた家づくりは、無料相談でご相談いただけます。
※本記事は2026年10月時点の公表資料をもとに作成しています。ハザードマップは更新されるため、土地購入や避難判断の際は必ず自治体・愛知県の最新情報をご確認ください。
著者:株式会社リキュー代表取締役 稲吉 伸英
保有資格:二級建築士、二級施工管理士、増改築相談員、耐震診断員、愛犬家住宅アドバイザー