C値は住宅の気密性を表す指標です。「どのくらいの隙間があるか」と「気密性を高めたときの換気や負圧」は、分けて考える必要があります。まずC値の意味と測定方法を整理し、そのうえで、お客様からいただいた「気密性を上げすぎるとよくない?」という疑問にお答えします。
C値とは?数値の意味と0.8・0.4の違い
C値の単位はcm²/m²(平方センチメートル/平方メートル)です。気密測定で求めた住宅全体の相当隙間面積を、実質延べ床面積で割った値で、数値が小さいほど床面積あたりの隙間が少ないことを表します。
例えば、実質延べ床面積が100m²の住宅では、C値0.8なら相当隙間面積は80cm²、C値0.4なら40cm²です。同じ床面積であれば0.4の方が相当隙間面積は小さくなります。ただし、C値だけで断熱性能や換気の良し悪しまで判断できるわけではありません。
C値はどう測る?気密測定で確認するポイント
C値は図面から決める数値ではなく、実際の建物で専用の測定器を使って確認します。室内と屋外の圧力差と空気の流量から気密性能を求めるため、比較するときには、測定時期や換気口などの開口部の扱いも確認することが大切です。
リキューの測定条件の考え方は、気密測定とダクト・開口部の扱いを解説した記事でも紹介しています。現在の基準と取り組みは、気密性能についてをご覧ください。
気密性を上げすぎるとよくない?負圧と換気を考える
以下は2019年の相談事例をもとにした説明です。掲載当時の仕様・モデルハウスの数値を含みますので、現在の標準仕様や見学先は上記の気密性能ページと記事末尾の案内からご確認ください。
最近は住宅の気密性能を表す「C値」が浸透してきたのか、お客様にも「リキューさんの建物のC値はいくつですか?」と聞かれることが増えてきました。リキューの場合は社内基準として、C値0.4以下にしています。リキューのC値を言うと驚く方もいますが、設計値だけでは測れない実質的な断熱性能を担保するには気密性を高くする必要があります。リキューが気密性を高くしているのは、冷暖房効果をさまたげる外気の流入をなるべくなくし、快適で経済的な室内環境を実現するためです。
そんな中、先日あるお客様にこんなことを聞かれました。
「他の会社で、「気密性を上げすぎると室内が“負圧”になるからうちはC値は0.8程度にしている」っていわれました。気密性は上げすぎるとよくないんですか?」と。
いい質問です。
C値=0.8というのは、床面積1平方メートルあたりの相当隙間面積が0.8平方センチメートルであることを示します。床面積100平方メートル(約30坪)の家であれば相当隙間面積の合計は80平方センチメートルになります。実際の隙間をそのまま集めた面積ではなく、測定結果から求める値です。
この場合でいう負圧(ふあつ)とは、建物内の空気が引っ張られる圧力がかかることをいいます。(ストローでジュースが飲めるのは、ストロー内に空気の引っ張り(=負圧)が生じるからです)

ハウスメーカーの性能をまとめた資料(サイト「さとるパパの住宅論」https://www.2x6satoru.com/article/442969288.htmlより)
負圧になった状態の建物内は、何もしないでおくと(例えば)玄関ドアが室内側に引っ張られて開きにくくなったりすることがあります。負圧になることに対して何も策を講じていない家であれば、そうなります。いわば気密性を高めた結果生じる“副作用”です。重要なのはその副作用をどのように緩和し、快適な住環境が得られるためにどのような家づくりをしているか、です。
気密性が高いと室内に負圧がもたらされやすくなるのは事実です。リキューの場合は換気システムを「第一種換気」を採用しています。第一種換気は「外部から取り入れた空気を同じ量だけ外部に排出する」換気システムなので、空気の引っ張りがかたよりにくくなります。また、換気風量や換気経路もきちんと設計するため、ドアが開きにくいなどの副作用はありません。※外気圧の急激な変化などの自然条件が重なった場合等は多少ドアの開きが重たくなることはあります。

換気システムの種類(Panasonicホームページより)
リキューでは第一種換気(ハイブリッド全熱交換タイプ)を採用しています。
あともうひとつ。キッチンの換気扇を「同時給排気タイプ」にすることによって、負圧を緩和させています。これは、キッチンの換気扇を使用するときに、排気と同時に給気(空気の取り入れ)もできるようになっています。
以上のようなことから、リキューの建物においては冒頭に書いたお客様のような心配をする必要はなく、断熱材や窓の性能を活かすためにも、気密性と換気計画をあわせて考えることが大切です。
西尾モデルハウスは、C値=0.33の建物です。この欄で書いたような心配をもっている方は、確認にこられるとお分かりいただけると思います。
↓↓↓モデルハウスご案内↓↓↓
施工例のC値と、実際の住まいを確認する
C値の数字だけでなく、間取りや暮らし方もあわせて検討してみてください。岡崎市「内に開く贅沢。家族がつながる、光あふれる住まい」では、施工例ページにC値0.22cm²/m²、UA値0.44W/m²Kを掲載しています。