40坪ちかくになりそうな要望を、建築家はどのようにして35坪にまとめたのか。
2018.11.21
今週は建築家のプレゼンテーションが2件、続きました。
リキューでは、アールプラスハウスの建築家とともに家づくりをしているのですが、
この人たちってほんとすごいな、と感じさせられました。
1件目は二世帯の住まい。親2人と子世帯4人の計6人暮らし。
■リビングは20帖はほしい。
■パントリーは欠かせない。
■収納はたくさん。
■玄関広く、玄関に大きな収納。
■洗面室と脱衣室は別にしたい。
■リビング通らずに、玄関から脱衣室、洗面室に行ける。
■お仏壇スペースが必要。
■駐車場所は4台分。
こーんなご要望でした。こーんなご要望きいたら、普通だったら面積40坪超えて当たり前。40坪超えたら、予算も(ちゃんとした性能の家なら)ふくれるし、固定資産税も上がります。
でも・・・建築家がもってきたプランは何と35坪。
えっ!?35坪?? あれだけのご要望があって35坪って、かなり希望が反映されていないんじゃないっ!? それ困る。 だってお客様には「アールプラスの建築家は、希望を反映させる本当のプロです」って言い切っちゃってるし、、、。 「諸事情により希望はこれだけしかプランに反映できませんでした・・・」 なんてなったら、「オイ、営業の言ってたこと違うじゃないかっ!」ってお客様に怒られる・・・
━という心配は無用でした。提案プランにはほぼすべての要望が叶えられていました。 (私もプランを書けなくはないですが、どうがんばっても38坪超になってしまいます)
このプランをつくったのは飯塚拓生さんという建築家。「劇的!ビフォーアフター」などの建築系テレビ番組にもよく出ている方です。
動線をシンプルにして家事等をしやすく、というのは一般的によくあります。しかし今回のプランでは動線を用途別にあえて分け、分けた動線が連続した生活の動きとなることでつながるという、生活そのものをデザインしたのです。 その結果、35坪。これって、ふつうは二世帯とは思えない面積です。
建築家はひとこと。
「狭く見える40坪よりも、広く感じて使いやすい35坪のほうが、いいじゃない?」
プランに添えられた建築家のスケッチ
2件目は50代夫婦とその子どもの住まい。
子育てはもうすぐ区切り。だから念願のマイホーム。
ご主人は趣味のスポーツをより楽しめる空間に、奥様は明るくって うんとくつろげるおうちにしたい。それぞれに夢が。でも・・・
でも、建てる場所は海の近くで風が強い。台風のときはほんと心配。
もうひとつ気になること・・・それは、建てる場所が通行人の多い角地なので、外からの視線が気になる。明るいリビングでくつろぎたいのに・・・カーテンしなきゃ、かな。
提案したのは建築家・伊藤淳さん。
57坪の土地に8帖分のオープンテラスのついた、まるでリゾートのコテージを思わせるプラン。
洗濯、キッチンは最短動線のレイアウト。これには奥様テンアゲアゲ。
趣味の自転車、テニス、ミニクーパー それら愛おしいパーツ類とともに篭(こも)れるホビールーム。 これには旦那さん満面の笑み。
20代の年ごろ娘とパパの気持ちを考えて、洗面所と脱衣室はセパレート。 みんなが使いやすい。
57坪というと、決して「広ーい」 という土地の広さではないけれど、広がりのあるLDKと大きな収納、おまけにオープンテラスもある。
聞けば、「このオープンテラスが、強風時は風除けになって 平時は道路からの視線をさえぎるのに役立つんです」 と建築家。
なんてこった。 そりゃお客様も一発で満足しちゃうわけです。
写真左がお客様夫婦。右奥が建築家。右手前が私。興奮と歓喜の坩堝(るつぼ)です。