これから土地を買う方へ。土地の売買契約書の「瑕疵担保責任」にご注意を。
2020.02.21
このブログを読んでくださっている方の中には「これから土地を買う」という方も多いのではないかと思います。
土地を買う際、多くの方は「土地売買契約書」(とちばいばいけいやくしょ)を契約する日に初めて見ることが多いかと思います。
なぜでしょうか。
土地を買う方は、当然ですが「土地を買う気で」契約に臨みます。
契約の際には法(宅地建物取引業法)で定められた「重要事項説明書」がまず読み上げられ、その次に「土地売買契約書」の内容が読み上げられます。
どちらの書類の内容も、買う人が理解できるように説明することが法で定められています。理解できなければ理解できるまで説明することが義務付けられています。
しかし実際は、買う人はほとんどが不動産業者の言うことを疑うこともなく、聞き入れているように思います。
しかし、ひとつだけ、買う人に気にしてほしい箇所があります。
それは、土地売買契約書の「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」について書かれた箇所です。
瑕疵担保責任。
瑕疵とは「その目的を達成することができない欠陥」のこと。瑕疵担保責任とは、そのような欠陥があった場合に何らかの形でとる責任のことをいいます。※
土地を買う目的にもよりますが、
家を建てるために買った土地である場合 ”土地の"瑕疵”とは、
「家を建てるために買った土地が、家が建てられなくしてしまう状態」のことを指します。
例えば、家の工事中に土の中から大きなコンクリート片が出てきて 工事を中断せざるを得なくなったとき、
それは土地の瑕疵にあたります。
土地を買う方は、売買契約書の「瑕疵担保責任」の項目を必ずチェックしてください。
この瑕疵担保責任の期間(家が建てられない土地であることが判明するまでの期間)が「有り」の場合と「無し」の場合があります。
(不動産業者が売り主の場合は必ず「有り」になりますが、個人が売り主の場合は「無し」という場合もあります。)
「無し」の場合は、契約をとどまった方が安全です。
瑕疵担保責任が無いということは、土地買った後 大きなコンクリート片が出てきた場合でも、自分の費用でなんとかしなければなりません。
住宅の建築工事をしていると、土を掘っている最中に土の中から大きな残存物(多くの場合はコンクリ―ト片や鉄筋など)出てくることはよくあります。
あまりにも大きな残存物である場合は撤去に費用がかかります。
少なくとも、建築工事の最初の段階である基礎工事の際に地中残存物があったとしても、それを売り主側で撤去(あるいは撤去費用の負担)してもらえる契約であることを確認してくださいね。(例えば、引渡しから何か月間であれば責任をとってもらえるのか、など。不安であれば、建てる住宅会社の人に契約書を見てもらうといいと思います)
「契約当日に契約書を見せられるんでしょ?そのときに「これじゃ契約できません」なんて言いにくいよー」
と言う方。
であれば、契約日より前に契約書を見せてもらうようにしてください。(それを嫌がる不動産屋さんからは買わない方がいいです)
契約日より前に契約書を買う人に見せることを、法律は禁じていません。
買う人の安全のためです。
※この瑕疵担保責任は、今年4月1日から「契約不適合責任」という呼び方に変わります。
※瑕疵担保責任が「無い」とされている契約の場合でも、民法上の瑕疵担保責任を問える場合があります。しかし、民法上の瑕疵担保責任すら問えないように作られる契約内容もありますので、尚のこと注意が必要です。
(宅地建物取引士)