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気密性を上げすぎるとよくない? ~C値=0.8とC値=0.4ではどちらがいいのか~

2019.01.24

 

最近は住宅の気密性能を表す「C値」が浸透してきたのか、お客様にも「リキューさんの建物のC値はいくつですか?」と聞かれることが増えてきました。リキューの場合は社内基準として、C値0.4以下にしています。リキューのC値を言うと驚く方もいますが、設計値だけでは測れない実質的な断熱性能を担保するには気密性を高くする必要があります。リキューが気密性を高くしているのは、冷暖房効果をさまたげる外気の流入をなるべくなくし、快適で経済的な室内環境を実現するためです。

 

そんな中、先日あるお客様にこんなことを聞かれました。

 

「他の会社で、「気密性を上げすぎると室内が“負圧”になるからうちはC値は0.8程度にしている」っていわれました。気密性は上げすぎるとよくないんですか?」と。

 

いい質問です。

 

C値=0.8というのは、1平方メートルあたり0.8センチの穴が空いていることを示します。床面積100平方メートル(約30坪)の家であれば80平方センチ(ハガキの約半分の大きさ)の外部とつながった穴が空いていることになります。

この場合でいう負圧(ふあつ)とは、建物内の空気が引っ張られる圧力がかかることをいいます。(ストローでジュースが飲めるのは、ストロー内に空気の引っ張り(=負圧)が生じるからです)

 

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ハウスメーカーの性能をまとめた資料(サイト「さとるパパの住宅論」https://www.2x6satoru.com/article/442969288.htmlより)

 

負圧になった状態の建物内は、何もしないでおくと(例えば)玄関ドアが室内側に引っ張られて開きにくくなったりすることがあります。負圧になることに対して何も策を講じていない家であれば、そうなります。いわば気密性を高めた結果生じる“副作用”です。重要なのはその副作用をどのように緩和し、快適な住環境が得られるためにどのような家づくりをしているか、です。

 

気密性が高いと室内に負圧がもたらされやすくなるのは事実です。リキューの場合は換気システムを「第一種換気」を採用しています。第一種換気は「外部から取り入れた空気を同じ量だけ外部に排出する」換気システムなので、空気の引っ張りがかたよりにくくなります。また、換気風量や換気経路もきちんと設計するため、ドアが開きにくいなどの副作用はありません。※外気圧の急激な変化などの自然条件が重なった場合等は多少ドアの開きが重たくなることはあります。

 

 

 

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換気システムの種類(Panasonicホームページより) 

リキューでは第一種換気(ハイブリッド全熱交換タイプ)を採用しています。

 

あともうひとつ。キッチンの換気扇を「同時給排気タイプ」にすることによって、負圧を緩和させています。これは、キッチンの換気扇を使用するときに、排気と同時に給気(空気の取り入れ)もできるようになっています。

 

以上のようなことから、リキューの建物においては冒頭に書いたお客様のような心配をする必要はなく、むしろ高い気密性によって設計値以上の断熱性が得られているのです。(ちなみにドイツの省エネ住宅「パッシブハウス」の基準はC値=0.2とされています)

 

西尾モデルハウスは、C値=0.33の建物です。この欄で書いたような心配をもっている方は、確認にこられるとお分かりいただけると思います。

 

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