WORKS
Facade
北側に住宅が並び、南側に田園風景が広がる──その敷地の個性に素直に応え、南北に伸びる箱型のフォルムが生まれた。 窓のない北面外観は街並みに静かに佇み、玄関からリビング、吹抜け、田園の緑へと空間が連続する構成。 ズレながら配置された開口部は、それぞれ異なる風景を切り取り、家族の居場所を外の景色と穏やかにつなげていく。 ここでは「陽だまりと風景が暮らしの中心」──環境と暮らしが呼応する家です。
Entrance
白壁と木のコントラストが凛とした印象を与えるエントランス。控えめなディスプレイ棚には、小さなオブジェと写真たちが並び、住まい手の物語がそっと現れる。 光を通す開口、隣接する収納、緩やかにつながる空間構成──整った設計の中に、個性が静かに浮かび上がる場所。家に入った瞬間から、この家ならではの空気が漂い始めます。
Living
吹き抜けから射し込む光が、リビング全体をやさしく包み込む。 スチールと木の軽やかな階段は、家族の気配をつなぎながら空間に奥行きを与える存在。 ソファに腰を下ろせば、見上げる先に空とつながるような感覚。 設計の工夫が、日常を開放感で満たしながら、どこか静けさも宿す。 ここは、家族の時間がゆっくりと流れる場所です。
Dining
木の温もりとステンレスの硬質感が、美しく調和するキッチン。 ダイニングは、隣に座るだけで自然に会話が生まれる距離感で設計されている。 小窓から届くやわらかな光が、素材の質感を引き立て、時間の流れを穏やかにする。 料理をつくる人と囲む人、そのふたつの営みがシームレスにつながる場所。 ここには、暮らしの中心らしい確かな風景があります。
大きな吹抜と縦長の窓が、空とつながる開放感をリビングにもたらす。 計算された窓の配置が、やわらかな自然光を室内全体に広げ、時間帯ごとに異なる光の表情を描き出す。 吹抜がもたらす縦方向の空気の流れは、室温のバランスにも寄与し、住まい全体の温熱環境を穏やかに整える。 美しいだけではない、居心地そのものをデザインする──そんな思想がこの空間に息づいています。
2階ホールに溶け込むように設けられた洗面は、まるで家具のような存在感。 白いタイル、黒の水栓、無垢の木──潔い素材選びがこの空間に静かな緊張感を与える。 吹抜からつながる光が差し込み、朝も夜も変わらず穏やか。 家族が通りすぎながら、自然に手を洗い、整える。 暮らしの中にさりげなく組み込まれたこの場所が、日常の小さなリズムをつくり出しています。
玄関土間から連続する奥の小さな空間は、まるで大人の秘密基地。 荒々しいコンクリートの質感に囲まれ、光の下で静かに育つアガベたち。 ここは収納であり、趣味の場でもあり、住まい手の「好き」を受け止める特別な場所。 暮らしの動線に寄り添いながらも、ひとりでこもれる静かな場所がある── そんな余白が、この家をより豊かにしています。
窓のない黒のファサードが放つ静けさに、シンボルツリーの緑が鮮やかに映える。 冷たい無機質さを、わずかな緑がやわらかくほぐし、暮らしの始まりを優しく予感させる。 ドライガーデンの石と樹木──素材のコントラストが、この家らしい「間」をつくり出す。 削ぎ落とした美しさの中に、小さな自然を宿すことで、この家は街並みに静かに溶け込んでいきます。
省エネ性能の値