注文住宅の家づくりを考えるとき、まず直面するのが間取りではないでしょうか。そこで今回は、間取りを果物に見立てた2つのタイプをご紹介。なかでも現代の価値観に合った「りんご型」の間取りのメリットや、取り入れるポイントを解説しています。注文住宅の間取りを検討中の方は参考にしてください。
価値観の変化にともなって間取りの主流が変わってきている
注文住宅の間取りを考えるとき、「子ども用に2部屋、書斎用に1部屋…」と部屋数で考える方も多いでしょう。しかし、近年ではライフスタイルや価値観の変化にともなって、部屋数だけではなく部屋の配置も踏まえて、間取りを果物に見立てて2つのタイプで表されることがあります。
従来の住宅で採用されていた「ぶどう型」の間取り
今までの住宅で主流だったのが「ぶどう型」の間取りです。建築用語では「中廊下型」と呼ばれ、子ども部屋や寝室など用途に応じた複数の個室を廊下でつないだ間取りを指します。個室をぶどうの実、廊下をぶどうの軸に見立てて「ぶどう型」と表しています。
個室になっているため、プライバシーに配慮しやすいことが特徴のひとつ。また、部屋ごとに冷暖房を使えば室温調整がしやすいといったメリットもあります。ただし、ぶどう型の間取りは冷暖房のない浴室や廊下が冬場だと極端に寒くなってしまい、ヒートショックのリスクを高めていると指摘されていました。
家族とのつながりを感じやすい「りんご型」
一方、2000年以降に採用されることが多くなったのが、「りんご型」の間取りです。家族との時間を大切にしたいという価値観や生活スタイルの変化とともに、家族で過ごすリビングを重視したりんご型の間取りに変化してきました。リビングを大きくとり、家の中心にキッチンや階段を置いたワンルームのような間取りは、芯を中心として皮のなかに果肉が詰まっているりんごをイメージさせるのでしょう。
りんご型の間取りのメリット
このように、価値観の変化を反映したりんご型の間取りは、以下のようなメリットがあります。
- 家族とコミュニケーションがとりやすい
- 同じ床面積でも開放感が感じられる
- ライフスタイルに合わせて空間を使いやすい
- 冷暖房がない部屋との室温差が生まれにくい
家族が過ごすリビングを大きく配置するため、家族とコミュニケーションがとりやすいことはもちろん、同じ床面積でも廊下をつくらない分、開放感を感じやすいという利点も。また、可動式の間仕切りや引き戸を活用して空間を区切るなど、必要に応じて空間を自由に使えるといったメリットもあります。
りんご型の間取りなら高断熱・高気密は外せない！
家族との時間を大切にしながら、ライフスタイルに合わせて空間を自由に使えるりんご型の間取りですが、快適な住み心地を追求するためには、住宅の高断熱・高気密が絶対条件です。りんご型の間取りは断熱性・気密性が確保されれば、効率的な冷暖房計画ができるというメリットがあります。一方で、断熱性・気密性が充分でなければ、空間を広く使う分、広い空間の温度を調整するために、冷暖房のコストがかさんでしまうリスクがあるのです。
＞＞参考コラム：注文住宅の気密性を高めるとどうなる？西尾市・蒲郡市に適した家づくりのポイントも解説
住宅の断熱性能を評価する「断熱等性能等級」をチェック
住宅の断熱性能を判断する時に参考にするのが「断熱等性能等級」です。断熱等性能等級は、住宅の性能を分かりやすく表示し、だれでも良質な住宅を取得できるようにとつくられた「住宅性能表示制度」に基づき、1～7段階の等級によって評価。室内外で熱がどれほど出入りしやすいかを表す「UA値（ユー・エー値）」が小さいほど、断熱等級が高くなります。
＞＞参考コラム：断熱性能が低い家のリスクとは？西尾市・蒲郡市で高断熱な家づくりをするポイント
西尾市・蒲郡市周辺の基準UA値
断熱等性能等級を評価するために、等級ごとに基準となるUA値が定められています。ただし、日本は地域によって気温差があるため、断熱等級を評価するUA値の基準も地域ごとにさまざま。北海道の一部が「1地域」、沖縄が「8地域」と、全国を8地域に分類して、地域ごとに基準値を定めています。リキューが家づくりを手掛けている西尾市や蒲郡市は、東京23区などと同じ6地域にあたります。6地域における基準UA値は以下の通りです。住宅の断熱性能を判断するときに、参考にしてみましょう。
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等級2 |
等級3 |
等級4 |
等級5 |
等級6 |
等級7 |
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UA値 |
1.67 |
1.54 |
0.87 |
0.6 |
0.46 |
0.26 |
※単位：W/㎡・K
西尾市・蒲郡市ともに、知多半島と渥美半島に囲まれた海辺の街で、温暖で穏やかな土地柄だとされています。しかし、2020年以降は夏の最高気温が毎年37℃超え。一方で、冬の最低気温は-5℃となった年もあります。このように、厳しい暑さや寒さのなかでも1年中快適な住み心地を実現するために、住宅の断熱性能が必須になるのです。
参考元：国土交通省｜新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド
参考元：国土交通省｜住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設
参考元：気象庁｜過去の気象データ検索（蒲郡（愛知県) 年ごとの値 主な要素）
＞＞参考コラム：注文住宅の断熱性で室温と光熱費が変わる！西尾市・蒲郡市の家に必要な断熱性能とは？
リキューが提案するりんご型間取りの実例
りんご型の間取りを採用するのであれば、より住宅性能について考えなくてはなりません。リキューでは、長期優良住宅の基準を大幅に上回るほど高断熱・高気密の家づくりを得意としています。リキューの提案するRIKYUミニマムスペックのグレードでも断熱等級5のUA値0.60W/㎡・K、RIKYUハイスペックのグレードでは断熱等級6以上の0.36W/㎡・Kが実現可能です。
このように、高断熱を得意とするリキューの家づくりでは、実際にりんご型の間取りをおすすめしています。ここからは、リキューが手掛けたりんご型の間取りの実例をチェックしていきましょう。
巣穴のような和室を設けたLDK
家族が自然と集まるような位置に配置されたリビングスペースは、天井の一部を高くして広がりを演出。ダイニングスペースは、日差しがたっぷりと取り込める明るい窓辺に設けられています。また、リビングには巣穴のような畳スペースが設けられているため、同じリビングにいても、家族が思い思いに過ごせるような空間をつくり出しています。
玄関やスタディスペースと緩やかにつながるLDK
平屋の南面に位置した明るく開放的なLDKは、ナチュラルな木目が目を引くデザイン。壁ではなく仕切りで空間を区切っているため閉塞感が少なく、玄関からの動線が緩やかにつながっています。リビングの奥に設けられたスタディスペースも仕切りを活用して、空間を区切っているため、リビングで過ごす家族とのつながりを感じながら作業できるでしょう。
西尾市・蒲郡市周辺の注文住宅ならリキューにお任せください
近年主流になってきた「りんご型」の間取りは、廊下をつくらずリビングを大きく設けることで、家族とコミュニケーションがとりやすい広々とした空間づくりを可能にしています。ただし、住み心地の良いりんご型の間取りを実現するためには、高断熱・高気密が必要不可欠です。リキューは、デザイン性の高さだけではなく、断熱性・気密性の高さも両立した家づくりを得意としています。西尾市・蒲郡市周辺で、家族との時間を大切にできる注文住宅を建てたいという方は、是非リキューまでご相談ください。
＞＞西尾市・蒲郡市周辺エリアで住み心地のいいマイホームが叶う、リキューの家づくりについてはこちら
著者：株式会社リキュー代表取締役 稲吉 伸英
保有資格：二級建築士 二級施工管理士 増改築相談員 耐震診断員 愛犬家住宅アドバイザー
これまでに培ってきた工務店の強みを活かし、地域に根ざした会社として、お客様に寄り添ったサービスを提供していきたいと考えております。
記事監修者：一級建築士 高地 可奈子
工学部建築学科卒業・大学院修了後、建築設計事務所勤務。建築設計事務所では、建築意匠設計、木造構造設計に携わる。その後大手経営コンサルティング会社を経て、現在は設計経験を活かしつつ、商品磨き、新メニューやツールの開発、研修などを通して工務店支援を行っています。
