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注文住宅で建てるZEHのメリット・デメリットとは?西尾市周辺の基準値も解説

注文住宅を検討していると、おそらく一度は目にすることになる「ZEH(ゼッチ)」や「高断熱高気密」といった言葉。どちらも住宅性能に関連する言葉ですが、詳しい内容までは分からない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ZEHの基準やメリット・デメリットから補助金制度まで詳しく解説します。さらに西尾市・蒲郡市の基準値も解説しますので、注文住宅でZEHを検討している方は是非参考にしてください。

 

多くのメリットがあるZEHとは?

今注目のZEHとは、どのような住宅なのでしょうか。早速ZEHの定義やメリット・デメリットを見ていきましょう。

 

ZEHの定義

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、国土交通省によると「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」と定義されています。

参考元:国土交通省「ZEH・LCCM住宅の推進に向けた取組」

 

簡単に言うと、住宅の断熱性を高めて冷暖房や照明などのエネルギー消費を押さえ、太陽光発電システムなどでエネルギーを創り出して、エネルギー収支がプラスマイナスゼロになる住宅です。

ZEHと認められるには、さまざまな要件を満たさなければなりません。住宅自体に求められるのは、外皮(窓や屋根・外壁など)の断熱性を高めること。断熱性能を表す「UA値(外皮平均熱貫流率)」の数値基準をクリアする必要があります。日本は地域によって気候が異なることから、8つの地域に分けて基準値が設けられており、それぞれの基準となるUA値は以下のとおりです。

地域区分

1

2

3

4

5

6

7

8

ZEH基準

0.40

0.40

0.50

0.60

0.60

0.60

0.60

省エネ基準

0.46

0.46

0.56

0.75

0.87

0.87

0.87

※単位:UA値 (W/㎡・K)

参考元:国土交通省「住宅における外皮性能」

UA値は数値が小さいほど断熱性能が高く、ZEH基準は国が定めている省エネ基準より厳しい基準をクリアしなければなりません。ZEHを建てるには、まず建設予定地がどの地域区分に該当するのか確認した上で、基準を満たす住宅を建てることとなります。

 

ZEHのメリット

住宅性能が高いZEHに住むと、どのようなメリットがあるのでしょうか。経済産業省資源エネルギー庁が運営するポータルサイトによると、ZEHの主なメリットは以下の3点です。

  • 経済性
  • 快適・健康性
  • レジリエンス

 

外気の影響を受けにくい高断熱の住宅では、冷暖房費など月々の光熱費を安く抑えられます。さらに、太陽光発電システム等の創エネでは売電収入を得られる場合もあり、ZEHにすると経済面で大きなメリットがあるといえるでしょう。

高断熱の家は室温を一定に保ちやすいため、夏は涼しく冬は暖かい、一年中快適な生活が送れます。健康面では、急激な温度変化によるヒートショックのリスクを軽減できる点は大きなメリットです。そのほか、高断熱住宅とそうでない住宅では、住む人の健康診断の結果にも違いが表れているといった報告もされています。

一般社団法人日本サステナブル建築協会の調査「断熱改修等による居住者の健康への影響調査中間報告(第3回)」によると、室温が18℃以上に保たれている住宅に住む方と、18℃未満の住宅に住む方では、心電図の所見や総コレステロールの値に顕著な違いが見られました。室温が18℃未満の住宅に住む方は、18℃以上に保たれている住宅に住む方と比べて、心電図の異常所見がある方が約1.9倍、総コレステロール値が基準値を超える方が約2.6倍という結果に。快適性だけでなく、健康面からも高断熱の住宅を建てることは大切です。

参考元:経済産業省資源エネルギー庁「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について」

参考元:国土交通省「省エネチラシ」

参考元:国土交通省「住宅内の室温の変化が居住者の健康に与える影響とは?調査結果から得られつつある「新たな知見」について報告します~断熱改修等による居住者の健康への影響調査 中間報告(第3回)~」

ZEHには、日々の暮らしが快適なだけでなく、非常時にも強いというメリットがあります。レジリエンスとは、ストレスや逆境に直面した際に、適応して乗り越えられる力のこと。ZEHは、台風や地震といった災害時に停電が起きても、太陽光発電や場合によっては蓄電池があるため、電気を使えて安心です。

 

ZEHのデメリット

ZEHの主なデメリットは、建設コストがかかる点や石油ストーブが使用できないこと、壁の内部に結露が起こる可能性があることなどです。

ZEHの建設は、断熱性能を高める専用の資材の使用や、太陽光発電システムなどの導入で、費用が高くなりがちです。

ZEHのデメリットである壁内部に発生する内部結露は、柱や土台に使われている木材の腐敗につながります。

リキューでは結露を防ぐために、旭化成建材株式会社の高性能で乾燥を保つ断熱材「ネオマ®フォーム」を採用。水蒸気の侵入を防ぎ、透過した湿気は通気層から出すことにより壁体内部の結露を防ぎます。さらに、リキューで採用している換気システム「第一種換気」との併用で安定した湿度を保ち続けられます。

>>参考コラム:西尾市・蒲郡市の建築相場と坪単価は?注文住宅を建てる際のポイントもご紹介

 

ZEHの補助金制度

ZEHの建設にはコストがかかりますが、さまざまな助成制度がありますので是非活用しましょう。

 

国のZEHに関する助成制度

住宅をローンで取得した方に対する減税制度「住宅ローン減税」。ZEHでなくても利用できますが、ZEHの場合は対象となる住宅の借入限度が高くなっています。2024年3月28日に成立した税制改正では、若者夫婦世帯や子育て世帯における住宅ローン減税の対象が4,500万円まで引き上げられました。

国土交通省が実施している「子育てエコホーム支援事業」では、若者夫婦世帯や子育て世帯のZEH新築に40万円から80万円の補助金が交付されます。

また、住宅ローンを利用してZEHを購入する方向けの助成制度が「【フラット35】S(ZEH)」。フラット35を利用してZEHを購入する場合、当初5年間は年0.75%引き下げた金利が適用されます。2025年3月31日受付申込分までが対象で、予算に達する見込みとなった時点で早めに受付終了する場合があるため注意が必要です。

参考元:国土交通省「ZEH・LCCM住宅の推進に向けた取組」

 

西尾市

西尾市にはZEHに対する補助金制度はありませんが、住宅用太陽光発電施設などの設置に対する「西尾市住宅用地球温暖化対策設備導入費補助金」があります。複数の設備の同時設置など要件がありますので、詳しくは西尾市の公式サイトで確認してみてください。2024年度の予算額は2,050万円で、2024年6月1日現在の残額は1,273万円です。先着順で受付、予算に達すると終了となります。

参考元:西尾市「西尾市住宅用地球温暖化対策設備導入費補助金」

>>参考コラム:西尾市で受けられる補助金は?住宅関連ほか支援制度を解説

 

蒲郡市

蒲郡市にはZEHに対する補助金制度はありませんが、地球温暖化対策として住宅用太陽熱高度利用システムなどの導入に対し「住宅用地球温暖化対策設備導入費補助金」を交付しています。対象機器などの要件があるため、事前に蒲郡市の公式サイトで確認してください。

参考元:蒲郡市「補助金等の一覧について」

>>参考コラム:蒲郡市でもらえる補助金は?住宅に関する減税措置もチェック

 

西尾市・蒲郡市でZEHを建てるなら

西尾市や蒲郡市でZEHを建てるには、どのような基準を満たしている必要があるのでしょうか。

 

ZEH・HEAT20基準のUA値

西尾市と蒲郡市の地域区分は、6地域に該当します。6地域における各基準のUA値は、以下の表のとおりです

基準

UA値(W/㎡・K)

省エネ基準

0.87

ZEH基準

0.60

HEAT20・G1

0.56

HEAT20・G2

0.46

HEAT20・G3

0.26

HEAT20とは「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」のことです。UA値の基準を満たすだけでなくエネルギーの削減目標や目指す室温レベルを提言して定められ、G1・G2・G3の3段階でグレードの数字が大きくなるほど高断熱の家と評価されます。

リキューが提供する住宅のUA値は、全てのスペックでZEH基準を満たしています。各スペックのUA値は、RIKYUミニマムスペックが0.60 W/㎡・K、RIKYUスタンダードスペックが0.40 W/㎡・K、RIKYUハイスペックが0.36 W/㎡・K。ミニマムスペックはZEH基準、スタンダードスペックとハイスペックはHEAT20・G2基準をクリアする高断熱住宅です。

 

西尾市・蒲郡市の気候

西尾市や蒲郡市は、平均最高気温が35℃を超える猛暑日が続いたり、平均最低気温が氷点下を記録する日が続いたりといったことはなく、比較的過ごしやすい気候といえるでしょう。また、2018年までの過去約30年間の年間降水量は1,000mm〜2,000mmほどです。しかし、愛知県の日照時間は、2022年度の調査で全国7位になるほど長く年間で約2,256時間。窓からの強い日差しの影響を受けない、断熱性の高い住宅を建てることが日々の暮らしの快適性につながります。

参考元:西尾市「第 1 章 まちの概要」

参考元:蒲郡市「蒲郡市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)【案】」

>>参考コラム:西尾市・蒲郡市の気候を知ろう!快適に暮らせる家づくりのヒント

 

西尾市・蒲郡市でZEH住宅を建てるならリキューへ

住宅性能の高いZEHは、一年中室内を快適に保てるだけでなく、経済面や健康面でも大きなメリットがあります。建設のコストがかかる点などがデメリットですが、リキューでは寸法や仕様などに独自のルールを設けることで無駄なコストを徹底的に省き、高いコストパフォーマンスの住宅を建てることができます。西尾市・蒲郡市周辺で注文住宅を検討されている方は、是非一度リキューにご相談ください。

>>西尾市・蒲郡市で高断熱・高気密・高耐震な注文住宅が建てられる、リキューの家づくりについてはこちら

 

著者:株式会社リキュー代表取締役 稲吉 伸英 

保有資格:二級建築士 二級施工管理士 増改築相談員 耐震診断員 愛犬家住宅アドバイザー
これまでに培ってきた工務店の強みを活かし、地域に根ざした会社として、お客様に寄り添ったサービスを提供していきたいと考えております。

 

記事監修者:一級建築士 高地 可奈子

工学部建築学科卒業・大学院修了後、建築設計事務所勤務。建築設計事務所では、建築意匠設計、木造構造設計に携わる。その後大手経営コンサルティング会社を経て、現在は設計経験を活かしつつ、商品磨き、新メニューやツールの開発、研修などを通して工務店支援を行っています。

 

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