気密測定 ― ダクトを空ける前にやるか、空けた後にやるか。それによって違ってくるC値の実際。
2019.11.25
最近では多くの建築会社でやるようになった気密測定。
建物の「すきま」がどれだけあるかを、測定によって明らかにします。
すきまが多いと漏気(ろうき→ 窓枠まわりの小さなすき間などから外の空気が内部に浸入してくること)が起こり、壁の中の結露リスクを高めます。さらには(とくに冬場には)冷たい空気が外から侵入してくることによって、足元が寒くなります。(足元が寒くなるのは、漏気によって室内に入ってきた冷たい空気が床表面付近を流れるからです)
気密測定の結果はC値(clearance値)で表わされます。値がゼロに近いほどすき間がないことを表します。
このC値、リキューの平均は0.29※ですが、住宅会社によっては0.1(あるいはそれ以下)というとても小さなC値を出している会社があります。
※リキューのC値平均→リキューにおけるこれまでのアールプラスハウス物件の平均。
C値は、測定する条件によって差が出ます。
差が出る条件はいくつかあるのですが、そのひとつに「ダクト孔(あな)を空けるまえに気密測定を行うのか、空けたあとに行うのか」です。
弊社リキューは、空けたあとに行います。
ダクト孔とは、台所の換気扇ダクトやエアコンの室外機につながるダクト等が壁を貫通する部分。
建物躯体にすき間ができやすい箇所は、窓まわりとダクト孔まわりです。(それ以外にもありますが)
そのダクト孔を空ける前に気密測定を行うほうが、C値は小さくなります。(すき間ができる原因そのものを作らない状態で行うのですから、当然です)
先日、気密施工を行っている県外の建築会社さんの現場を見学させて頂きました。その会社のC値は0.1台。数字だけ聞けば「すごい」と思うのですが、いつ測定をするかを聞いたところ、ダクト孔を空ける前に行う、とのことでした。
実際にその家で生活するときには、換気扇は取付けられていますし、エアコンも取付けられているでしょう。
気密測定は、実際に生活する環境に近い状態で行うことによって、実生活での建物性能(簡単に言えば 快適さと耐久性です)を担保できるわけです。気密測定を行った後にダクト孔を空け、その際の気密処理が不十分だったりすると気密測定の意味がありません。(見学させて頂いた会社がそうだということではありません)
気密測定を行って建物性能を担保することが重要であることは、今や一般の方にも多く知られるようになりました。ただ、気密測定自体が建築工事において義務付けられているものではないので、住宅会社によって測定の仕方にバラつきがあるのも事実です。
住宅購入を検討する方、とりわけ性能を重視される方におかれては
「気密測定は、ダクト孔を空ける前なのか後なのか」、
建築会社に問うてもいいかもしれません。