夜 yakei 景
2018.11.15
最近は夜 めっきり冷えてきましたね。
仕事を終えて会社のドアを開けると、思わず肩を丸めてしまいます。
私はいつも車で通勤しているのですが、きょうはいつもとちょっと方向をかえて
私が好きな夜の風景を楽しんできました。
一つめは蒲郡市民体育館。 蒲郡市民なら一度は行ったことのある、おなじみの公共施設。
この建物の夜の顔がすごくきれい。
弧をえがく屋根と、空にむかって伸びる支柱がなんともかっこよくて私は好きなんですが、
夜になると内部のアリーナに橙色の明かりが灯り、さらにかっこよくなるんです。その明かりが、ガラスの壁面全体に広がる黒い格子とかさなるのがまたいい。
この体育館、昭和43年に完成。設計は石本建築事務所。※1
ここ数年、耐震性の問題から市議会等で建替えが議論がされてきたのですが、建替えの場所が決まらず、結果的に耐震補強で当面は維持されることになりました。
一時代前に建てられた建物の耐震性は、住宅のみならず、公共建築においても悩ましい問題です。でもこの体育館が、ずっとではないにしても、しばらく存在してくれることが私はうれしいです。
蒲郡市民体育館
二つめは蒲郡市立図書館。昭和44年に完成。体育館と同世代です。
子供のころ、よく母に連れて行ってもらった思い出のある場所です。
大人になり、建築に関係する仕事にたずさわるようになって、この建物が 好きになりました。
この図書館の外壁の二階部分には、スリット(細長い)窓が何本も設けられていて、それが内部の閲覧室の明かり取りになっています。これが本を探すとき、すごくいい感じの明るさなんです。(私見ですが、近隣の図書館で、この図書館ほど明るさがちょうどよい図書館はないと思います)
もっと好きなのは夜の顔。
スリット窓が連続した光りの線となって、何ともいえないきれいさを放ちます。
外観は1階がピロティ※2になっているので、浮き上がるように光る何本もの光りとその形がすごくかっこいい。
蒲郡市立図書館
上記ふたつの建物、どちらも築50年くらい経つ年季ものです。
共通しているのは、半世紀経ってもデザインは古びていないし、夜が尚更かっこいいところ。※3
みなさんもよかったら、このふたつの建物の夜景、楽しんでみてください。
■蒲郡市民体育館(蒲郡市民体育センター): 蒲郡市緑町3-69
■蒲郡市立図書館: 蒲郡市宮成町1-1
※1 石本建築事務所→http://www.ishimoto.co.jp/
※2 ピロティとは(ウィキペディア)→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%AD%E3%83%86%E3%82%A3
※3 経年しても古びないデザイン。これは、リキューが提供する建物の目指す理念のひとつでもあります。